大学生チッポラの小説

国立理系大学生。実話とフィクションを織り交ぜた小説を書いています。気ままに更新。

小説【夢日記】 日の出

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日の出

 

2021年1月1日

 

ムシャクシャする。

イライラする。

吐き気がする。

そんな気分がずっと続いている。

もう年も明けた。

気持ちを一新しようと決めたのに、

気持ちって野郎は本当に融通が効かない奴だ。

 

また、ゲームをインストールしてしまった。

一度中毒になってから、きっぱり辞められたのに。

あの寝る前の、焼けるような後悔の念と苛立たせる焦燥感が嫌いだ。

もうやめよう。

そして、アンインストールする。

 

これの繰り返しだよ。

何回やっただろうか。

もう元通りだ。

わかっているさ、頭では。

だからこそ気分が悪い。

本当に言うことを聞かないんだ。

僕の体なのに、僕の心なのに。

 

初めは辛い気持ちから始まった。

現状に耐えられない不満が蓄積して、

徐々に徐々に蝕んできた。

それを癒してくれる処方箋だったんだ。

ゲームだとか、その他様々なものが楽にしてくれる。

でもそれが一瞬なんだよ。

数時間という間、愚鈍な自分に酔える。

でも薬が切れると、倍増した負の感情が僕を圧迫する。

 

「辛いのは僕だけじゃない。

もっと辛い思いをしている人がたくさんいる。

僕は幸福者だ。」

そう言い聞かせて、気持ちを落ち着かせよう。

でもダメだよ。

コレじゃあ、酔えない。

だって、辛いのは本当なんだ。嘘じゃない。

 

負の邪念が一日中邪魔をする。

それがどんどん増大する。

もうだめだ。

 

この時僕は、そういう時だったんだ。

 

そしてここから僕は、夢を見るようになった。

不思議な夢を。

これは日記。そう、夢日記だ。

これから僕はその夢をここに綴っていくことにする。

それが今の、僕の処方箋だ。